約26坪の敷地に、1階の床面積が約15坪の子育て向けの間取りを作るとしたら、どんなパターンが考えられるだろう。
同じ7.5m×7.5mのL型の外形を使って、ワンオペのママ建築士が2案考えてみました。
想定の条件
- 関東の住宅街の一画
- 車は1台所有
- 30代の共働き夫婦
- 子供は未就学児が2人
- 平日は奥様が主に家事育児を担当
- 1階リビング
間取り案 その1:ファミリークローゼットを作る
玄関の近くに2畳のファミリークローゼットを作って、外で使うものはここにまとめる案です。
- 埃や砂をリビングに持ち込みにくい動線
- 家族が顔を合わせやすいリビング階段
- 大物を収納できる玄関横の物入れ
- キッチンから見えるスタディコーナー
イメージパース
先ほどの図面をパース化しました。スタディコーナーとLDの広さはこんな感じです。
帰宅動線
帰ってきたらまずファミリークローゼットでアウターを脱ぎ、ほこりや花粉はここまで。
幼稚園や保育園の登園バッグ、習い事カバン、通勤バッグもここです。
荷物を置いて身軽になったら、隣の洗面室で手を洗います。
汗だくの日や遊んで泥まみれになった日は、そのまま浴室に直行してもらいます。
すっきりしてからリビングへ。
ママは買い物から帰ったら、先にリビングのドアを開けて荷物を仮置き。
それからファミリークローゼット→手洗いと通ってから、さっき置いた荷物を拾ってキッチンに向かってもいいですね。
おでかけ動線
リビングでご飯を食べたら、すぐに洗面で歯磨き・ヘアセット。
身支度が終わったら、ファミリークローゼットでアウターとカバンを持って出発。
クローゼットの一角にゴミの保管場所を作っておけば、出勤と一緒にゴミ出しも忘れにくい。
間取り案 その2:寝室を作る
1階にも寝室を作り、将来的に1階だけで生活が完結するプラン。
- 老後に階段を使わない生活ができる
- 赤ちゃん静かな別室で寝かせられて、起きた気配も気付きやすい
- 家族のプライバシーを確保しやすいホール階段
- 雨の日にも安心な駐車場から近い玄関
- 買ったものをすぐ片付けられる玄関に近いキッチン
イメージパース
帰宅動線
帰ってきてすぐに手を洗ったら、向かう先の候補は4つ。
お風呂・リビング・自室・寝室。
深夜帰りで疲れ切っているパパは、お風呂に入ったら1階のベッドに即ダイブができます。
おこさんやママが2階で寝てるなら、「起こしてしまうかも」なんて生活リズムの違いで気を使わなくて済むかも。
家族との団欒を楽しみたい方はリビングへ。家族と頻繁に顔を合わせるのを避けたい思春期のお子さんは、きっとそのまま自分のお部屋へ。
また、お友達を呼ぶこともあると思いますが、リビングは通らないので、慌ただしい朝の形跡が残ったままの共働き家庭でも、ちょっと気持ちが楽かもしれません。
雨の日の子供連れのお出かけは、買ったものに子供に荷物がたくさん。手がふさがった状態で傘をさすのは大変です。
玄関と駐車場を近くすることで、傘をさすことなくお家に入れます。
おでかけ動線
朝、リビングでご飯を食べたら、トイレに行って、洗面で身だしなみチェックをしたらいってらっしゃい。
カバンは靴箱の幅が大きめなので、そこに入れてもいいかも。
アウター置き場は建築側で場所を作るよりも、収納グッズで玄関ホールに置いた方が、暮らし方の変化に合わせやすいし、工事費も抑えられます。
ハンガーラックのイメージ↓
子供が小さい時は、ダイニングテーブルの窓際の棚に、お着替えを入れておくと便利です。
子育てが楽になる動線のポイント
勘のいい方は気づいたかもしれませんが、どちらのプランも「洗面所と浴室に直行できる動線」と「買ったものを片付けやすい動線」を意識して作っています。
お風呂に真っ直ぐ行けるメリット
子供達って本当に外遊びが大好き。
小さい頃は砂遊びに水遊び。なんなら、何度もこけて全身砂まみれ。
ちょっと大きくなったら、砂・土汚れは減る分、今度はたくさん走って汗でびちゃびちゃ。
もっと大きくなって部活が始まったら、汗まみれと土まみれのコンボ。
まずリビングに入ってから他の部屋に行くようなプランが一時流行っていましたが、ワンオペのズボラママの意見としては避けたい動線。
理由はリビングが汚れやすくなってしまうからです。
リビングって家族みんなが使って、いろんな過ごし方をするので、家具がたくさんありますし、様々なものが集まってきます。つまり、汚れやすいし荒れやすい。
そんなただでさえキレイを保ちにくい場所を、汚れやすさに拍車をかけるような動線はめんどうくさくて避けたいです。
怪人ショーガクセーはそんなの気にせずまっすぐリビングに入ってくるかもしれませんが、追い出してお風呂に行ってもらいましょう 笑
買い物動線は短く
もしかしたら私だけかもしれませんが、一旦下ろした重たい買い物の荷物、また持って運ぶの面倒に感じませんか?
どうせ一旦降ろすなら、後で運ぶ距離が短くなるキッチンやパントリーの近くに置けた方が、その後の気持ちがちょっと楽。
断熱などの条件を気にしないで間取りだけで言うなら、玄関からすぐにキッチンやパントリーに続く魔法のドアがあった方が、運ぶ手間が省けて時短にもなります。
まとめ
全く同じ家の外形でも、全く違う間取りが出来上がりました。
間取りは正解がないパズルのようなものなので、求めるものに次第で色々なパターンが考えられます。
今はネットでいろんな素敵なお家がたくさん見られますが、一番大事にしたいのは「建てた後の自分の暮らしやすさ」です。
ワンオペママの場合、次々発生する事柄をなるべくテキパキとこなしたいところ。そのため、その1つ1つの事象をスムーズにつなげられる動線にすると、運ぶ・移動すると言った手間と時間が節約できて、自分時間を確保しやすくすると思います。
面倒くさいな、不便だな、使いにくいなと思うポイントの見落としがないか不安な方は、是非ご相談くださいね。
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ここまで読んでくださってありがとうございました。