家づくりでは、実際に生活して見て初めて気付く、毎日ちょっとモヤモヤする不便が以外とあります。
今回は、そんな住んでから気づきやすい間取りの盲点を12個ご紹介。
間取り確定前の方は、ぜひお手元の図面と見比べてみてくださいね。
家事動線・生活動線で後悔しやすいポイント

① 回遊動線があれば家事ラク、とは限らない
家事ラクな間取りとして人気の回遊動線。
キッチンから洗面所へ、廊下へと、短い動線でぐるっと回れる間取りは便利そうですよね。
でも、注意してほしいのが、回遊できるようにするには通路が必要だということ。
つまりその分、収納や家具を置けるスペースが減ることにもなります。
例えば、脱衣洗面所へキッチンと廊下の両方からアクセスできる間取りの場合。2~3畳の広くない空間にドアが2つ付くことで、衣類やランドリー関連の収納を置ける壁が限られたり、プライバシーを保ちにくくなってしまいます。
大切なのは、回遊できるかどうかではなく、その動線があるメリットが、収納力や心理的な快適性を上回るかどうか。
何となく便利そうだからと採用する前に、朝から晩までの人の動きを一度確認してみましょう。
② 玄関で家族が渋滞する
玄関って、普段はそれほど長くいる場所じゃないので、ついコンパクトにしがち。
でも、家族みんなが同時に出かけるときはどうでしょう?
子どもに靴を履かせている間、パパは後ろで順番待ち。靴を履き終わった子どもが、今度は玄関の真ん中で立ち止まっていたり。
出勤前や通学で急いでいる朝にこれが毎日続くと、なかなか面倒くさいです。
玄関は畳数だけでなく、何人が横に並んで靴を履けるかも確認しておく
同じ面積でも、横長なのか縦長なのかで使い心地は変わります。
以前の記事では、玄関の広さによる違いを3D画像で比較していますので、こちらも参考にしてみてください。

③ 朝の洗面所が人口密度高すぎ問題
朝の洗面台を、家族みんなが同じタイミングで使うことありませんか?
顔を洗いたい人、歯を磨きたい人、髪をセットしたい人。
もし脱衣所も兼ねていたら、誰かがお風呂に入っていたら洗面所が使えないなんてことも。
例えば、
- 歯磨きとドライヤーを別の場所でできるようにする
- 鏡を横に広くして2人並べるようにする
- 洗面所を2か所に分ける
- 脱衣所と洗面所を分ける
など、使う時間が重なっても順番待ちが発生しないようにできると、快適性が上がります。
廊下の一部とメイクスペースを兼ねるアイデアもあります。この場合は後ろが通路になっていて人が通るたびに邪魔にならないようにしましょう。
洗面台を何人で、どの時間帯に、どう使うのか、普段の暮らしを思い出す。
朝の身支度を家族全員分シミュレーションしてみてくださいね。
収納で後悔しやすいポイント

④ 狭いウォークインクローゼットはもったいない?
ウォークインクローゼット(WIC)があると、収納が充実しているように感じますよね。
でも、WICは中に入って使う収納なので、人が歩いたり立ったりするスペースが必要です。
特に小さなWICは、通路部分の割合が大きくなってしまうことも。
それなら、同じ面積で壁面クローゼットにした方が、収納できる量が増える場合があります。
もちろん、衣類をまとめて収納したい、着替える場所としても使いたいという家庭なら、WICの方が便利かもしれません。
ここで確認したいのは畳数ではなく、実際に収納として使える面積。
ハンガーパイプがどれくらいの長さになるのか、引き出し収納を置いたら通路はどうなるのか。
収納は床面積より、使える部分がどれだけあるかが大切です。
1畳程度の小さいWICの使いにくさについて、詳しく解説しているブログがありますので、間取りにあるわと思われた方は、ぜひそちらもご覧ください。

⑤ 奥行きが深い収納は、物が行方不明になりがち
収納はたっぷり欲しい!
だからといって、何でも奥行きを深くすればいいというものではありません。
例えば、文房具や薬などの小物を奥行きの深い棚に収納すると、奥の物が手前に置いた物で隠れてしまいます。
取り出そうと思ったら、まず手前の物をどかして、奥に手を伸ばして…。
これが毎回となると、出し入れが結構面倒。そのうち手前にばかり物を置くようになって、奥に何が入っているか分からない、なんてことも。
布団や季節家電のような大きな物なら深い収納が向いていますが、日用品や小物類なら浅い棚の方が使いやすいこともあります。
収納の奥行きは、しまう物に合わせて決めるのがおすすめです。
何を、どこに収納するか、考えながら収納スペースを検討しましょう
⑥ 折れ戸の端に引き出しを置くと開かない?
これは図面で見落としやすいポイント。
クローゼットの中に衣類用の引き出しケースを置こうと思っている方は、ちょっと確認してみてください。
折れ戸は開くと左右の端に寄せられます。そのため、クローゼットの端までぴったり引き出し収納を置くと、扉が邪魔して引き出しが開かない場合があるんです。
せっかく収納スペースがあるのに、引き出せないから端が使えないなんてもったいない!
収納内部の寸法だけでなく、扉を開けた状態で実際に使える幅を確認しましょう。
置く予定の引き出し決まっているなら、家具の寸法も図面に入れてもらうと分かりやすいですよ。
音や光で後悔しやすいポイント

⑦ リビング横のトイレ、音は気にならない?
長い時間を過ごすリビングから近い位置に、あると便利なのがトイレ。
ただ、トイレの位置によっては使用中の音がリビングまで聞こえてしまうことがあります。
家族だけなら気にならなくても、来客時はどうでしょう?
実はトイレは換気を法律で義務付けられており、空気が通りやすいように扉にすきまがあります。みんながいるすぐ横でトイレの音が聞こえるのは、ちょっと気まずい…と感じる人もいるかもしれません。
音が気になるなら、トイレの扉とリビングドアの2枚の扉を介する間取りにしたり、トイレ用の遮音性のある扉を選んでみましょう。
近さとプライバシー、どちらを重視するか考えてみてくださいね。
\遮音ドアの詳細はこちら/
⑧ 寝室の隣にトイレがあると眠れない?
寝室の近くにトイレがあると、寝る前や夜中に行きたくなった時に便利です。
でも、寝室とトイレが壁1枚で隣り合っている場合は、音が気になる可能性があります。
夜中に家族がトイレを使うたび、ドアの開閉音や水を流す音で目が覚めると、疲れが取れなくて困ってしまいます。特に、家族の生活時間が違う場合や、音に敏感な方は注意したいです。
間取りに余裕があれば、寝室とトイレの間にクローゼットなどの収納を挟むと緩和されます。
トイレの排水が流れるパイプスペースが寝室の隣に来てしまう場合も、同様に注意しましょう。
⑨ 窓が明るすぎてテレビが見づらい
明るいリビングにしたくて大きな窓をつけたものの、テレビの画面に窓が映り込んで見づらい…。
これも住んでから気づきやすいことの一つです。
テレビを見るたびにカーテンを閉めなければならないのは、ちょっと面倒です。
間取りを考えるときは、窓の位置だけでなく、テレビやソファをどこに置くかも同時に検討した方がベターです。
特に日中テレビを見ることが多いご家庭なら、画面への映り込みがないか、日照のシミュレーションを設計士さんと確認しておくと安心です。
家電・コンセント・配線で後悔しやすいポイント

⑩ 冷蔵庫の扉、ちゃんと開く?
冷蔵庫が設置スペースを作っていても、いざ使ってみると、横の壁に扉が当たって全開できないことがあります。
てきぱきこなしたい調理中、食品を取り出すたびに体をねじ込んだり無理な体勢になるのは、地味にストレスです。
冷蔵庫は、本体が収まる寸法だけでなく、扉を開けて中の物を取り出せるかまで確認が必要です。
機種によって必要なスペースは違うので、購入予定の冷蔵庫の寸法図を見ておきましょう。
片開きか両開きか、ドアポケットの出っ張りはどれくらいあるかによっても体が入る広さは変わってきますので、そこもチェック。
まだ機種が決まっていない場合も、将来買い替えることを考えて、設置スペースに余裕があるか相談してみてください。
⑪ コンセントが足りなくて延長コードだらけ
コンセントって、図面の段階では必要な数が分かりにくいんですよね。
でも実際に住み始めると、思っていた以上にいろんな場所で電気を使います。
例えば、
- ソファでスマホを充電する
- ダイニングでパソコンを使う
- キッチンで調理家電を使う
- 洗面所でドライヤーを使う
- 掃除機を充電する
使いたい場所にコンセントがないと、延長コードを引っ張ってくることに。コードが床を這うと見た目も気になるし、掃除のときにも邪魔になります。
だからといって、やみくもにコンセントを増やせばいいわけでもありません。
家具で隠れて使えなかったり、コンセントプレートが邪魔で家具が壁にピッタリつけられなかったりします。
家具の配置を決めて、どこで、何を、どんな姿勢で使うかまで考えておくのがおすすめです。
⑫ LAN配線を後回しにしてケーブル丸見え
最近はWi-Fiで使える機器が多いので、有線LANは必要ないと思う方もいるかもしれません。
ただ、テレビやパソコンなど、使い方によっては有線で接続した方が、通信が安定する場面もあります。
そんなとき、必要な場所まで配線が通っていないと、後からケーブルを壁や床に沿わせることになり、せっかくすっきりしたお部屋にしたのに、ケーブルが丸見えで生活感が出てしまいます。
インターネットの使い方や、将来どこに機器を置くかを考えて、必要な場所を検討しておきましょう。
配線を後から隠す工事は条件によって大がかりになる場合もあるので、図面の段階で検討しておくと、後から有線にしたい場合でも表に配線がでない、すっきりしたお部屋にできます。
間取り図は「実際に生活するつもり」で見てみよう

ここまで12個の後悔しやすいポイントをご紹介しましたが、該当するものはありましたでしょうか?
自分にとって我慢しがたいもの、気にならないものなどの優先順位をつけて、どこを改善するか考えてみましょう。
例えば、回遊動線は通路の面積が増えるデメリットがある一方で、次に行きたい部屋にすぐ移動できるメリットがあります。どちらがより暮らしやすいか、ご家族で話し合ってみてくださいね。
ただ、こうした実際の暮らしを間取りに落とし込んでいく作業は、平面図だけではなかなか想像しにくいものです。
そんな時は、家具を入れた図面や3Dパースで確認するのがおすすめです。空間の広がりや奥行が視覚的にパッと分かるようになるため、「想像と違った!」という部分を事前に見つけることができます。
間取りが確定してしまうと、後からの変更は難しくなります。「言われてみれば、うちの間取りは大丈夫かな?」と少しでも気になるところがあれば、ぜひ次の打ち合わせの前に、立体的なイメージで確認してみてくださいね。
住んでから毎日ちょっとずつ我慢するより、今のうちに不安をなくして、納得のいく選択を重ねていけると素敵ですね。
このコラムが、あなたの暮らしやすい家づくりの役に立っていたら嬉しいです。
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